外資系金融・証券(投資銀行) 部門

【社員から見た】 外資系金融・証券(投資銀行)の部門  リサーチ、コンプライアンス

【社員から見た】 外資系金融・証券(投資銀行)の部門  リサーチ、コンプライアンス

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今回は投資銀行の部門の中でリサーチとコンプライアンス部門に関してざっくりとお話しさせていただきます。

私は長い間外資系金融機関(証券会社)に勤務しています。これまで多くの人と仕事をしてきました。世界各国から集まった社員たちに揉まれて、時には解雇されたり、時には解雇されてすぐにまた再雇用などいろいろな経験をしました。

多くの学生さんが外資系金融機関に興味をお持ちのようです。新卒で入社してくる若手社員はとても優秀な人たちが多くあっという間に出世する人、あっという間にいなくなってしまう人など様々です。

外資系金融機関とはどういう場所なのか?というところ実際のエピソードも交えていろいろお話しできればと思います。

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リサーチ(調査)部門(Investment Research)

通称:リサーチ

リサーチ部門から送られてくレポートはセールス、トレーディング部門にとって欠かせないものである。このレポートの内容をもとに毎朝のミーティング(朝会)で当日の方針を決めたり、顧客にも売り込みをかけるため特定銘柄に関して情報を伝えたりする。

個別の銘柄や業界などの分析だけでなく世界経済、景気などグローバルレベルでの足元の情報などもエコノミストやストラテジストによって情報提供される。

リサーチには3つのタイプのプロフェッショナルがいる

エコノミスト

マクロ経済の分析や金利、為替などの見通しに関してレポートを顧客に情報提供される。1年のうち定期的(月次、四半期、年次)にまとめる。

ストラテジスト

投資戦略についての分析や推奨をおこなう。産業や市場、通貨など資産の運用配分をストラテジストの視点によって推奨する。例えば運用資産を100とすれば資源株に30%、消費関連株に50%、金融株に20%などセクターに割り振る。

アナリスト

個別株やセクターなどに関してレポートを出す、個別銘柄のレポートでは実際にその銘柄企業に出向き直接話を聞きながら生の情報も手に入れる。銘柄ごとに売り、買い、ホールドなど見解を伝える。

激務レベルはIBDに続く

このリサーチの社員たちも本当によく働く。朝から晩まで外出し顧客や専門家などとのコンタクトにより情報収集し、夕方ごろにオフィスに戻ってそこからレポートの作成に取り掛かる。

会社にいる(仕事)時間がとても長いので会社に住んでいるのでは?というような社員も結構いてデスクには生活用品が整然と並べられていたりする。

リサーチというと真面目な風貌の社員が多くいるようなイメージを持たれるかもしれない。しかし実際には男性女性ともダークネイビーのスーツをビシッと着こなし結構な量の書類を持ちながら颯爽と出ていく。

男性は長身で爽やか、女性も美人が多い。定期的に社内に配信されるリサーチからの情報メールでは最後の方に写真と肩書が載っているのだが写真は正面ではなく少し横を向いたカッコいい写りになっている。おそらく何度も取り直して気に入ったものを使っているのだろう。

外出機会が多いので外の情報にも詳しく特に美味しいランチの店などオフィス周辺だけでなくいろいろ知っているグルメな方もいます。

コンプライアンス部門(Compliance)

通称:コンプラ

全ての企業の行動が法令に遵守しているかとしかと監視している部門である。新しい案件に取り組むときや新たな金融商品を販売するときなどコンプライアンスの承認は必須の手続きとなる。

常に様々なことに目を光らせている。例えばあるトレーダーが行ったトレードに関して問題行動等がある場合は直接問題点を指摘したりもする。トレーダにとっては正当な取引だと主張することはあってもコンプライアンスよりダメ出しされれば引き下がるしかない。すぐさま上に報告され問題がある場合は規制当局にまで行くこともある。

ただほとんどの社員にとってはコンプラと言えばいつも大量にこなさなくてはならないオンライン研修を課してくる部門である。このオンライン研修が曲者で期日がけっこう先に設定されていたりするので完全に忘れていてOver Dueとなり受講せよとの催促メールやら期日までに受講しないとあなたの上司、さらに上司の上司まで報告するというような脅迫メールがしょっちゅう届く。

規制当局の検査が入る際にはいつもにも増して緊迫感が増す。検査対応のため各部門の偉い人、担当者を呼び寄せて大所帯のミーティングが開催される。ミーティング冒頭でご協力お願いしますと言っているものの渡される文面にはこれとこれ必要だから全部用意しておけ!と言わんばかりの内容にただただ従うばかりである。

更にはお上がお越しになるのでこの期間はエレベータ内などで業務に関する話などをしないように!というような文面のメールまでご丁寧に配信される。

検査対応のためかそれとも適性なのか規制当局出身の若手社員がけっこういる。外資系金融機関にはけっこう転職しやすいようでやはり検査する側にお友達がいるのは心強いのだろうか。

まとめ

前回に続いて外資系証券会社(投資銀行)の組織に関して少しお話をさせて頂きました。

リサーチ部門はいつも忙しいことろです。外出後の社内作業も時間がかかるため拘束時間がたいへん長い部門です。コンプライアンスも企業の行動に常に目を光らせています。規制当局から業務停止命令でも出てしまえばたいへんなことになります。大切な部門です。


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TAKA-KIKOH

ゴールドマン・サックス証券などこれまで長年にわたり外資系金融機関(証券)での業務に従事してまいりました。米国MBA。英語ではTOEFL607点、TOEIC950点など。趣味は筋トレ、釣り、ゴルフ。

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