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前回に引き続き投資銀行で働く人々の報酬体系に関してざっくりとお話しさせていただきます。
前回の記事はこちら
私は長い間外資系金融機関(証券会社)に勤務しています。これまで多くの人と仕事をしてきました。世界各国から集まった社員たちに揉まれて、時には解雇されたり、時には解雇されてすぐにまた再雇用などいろいろな経験をしました。
多くの学生さんが外資系金融機関に興味をお持ちのようです。新卒で入社してくる若手社員はとても優秀な人たちが多くあっという間に出世する人、あっという間にいなくなってしまう人など様々です。
外資系金融機関とはどういう場所なのか?というところ実際のエピソードも交えていろいろお話しできればと思います。
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長期インセンティブ(Long-term Incentive Bonus)
投資銀行では特にフロントオフィスの社員には成績によって高額のボーナスが支給されると前回も伝えました。このボーナスに加えて長期インセンティブが支給されることもあります。
長期インセンティブとは何?
ボーナスのように現金で支給されるものと違いストックオプションなど自社株を利用したかたちが多いです。ストックオプションとはある時期が訪れた時に株式を入手できる権利になります。その権利を行使して株式を売却すると現金を手に入れることができます。
長期インセンティブとして支給される場合はおそらく権利行使まで3年から5年ほど時間がかかるのが一般的です。なぜそんな面倒なものを会社は支給しようとするのでしょうか。
誰が受け取れるの?
長期インセンティブは普通の社員にはあまり馴染みはありません。私も頂いたことはありません。基本的にはMD(マネージングディレクター)などの職位で上層部の偉い方、もしくはその年に破格の成功を収めたトレーダーやセールスなどスーパー社員に向けて支給されるものだと思います。
ストックオプション付与の目的は?
長期インセンティブでストックオプションを付与されてもだいたい3年後から5年後に行使できるようになるのが一般的と触れました。報酬の先送りは会社にとっていくつか良い点があります。
会社の発展に尽力してくれる
売却して手に入る現金は当然その時点での株価になりますので今現時点では将来にいくら自分の手元に来るのか予想が付きません。
会社のパフォーマンスが上がれば株価は上がります。特に上層部(経営層、もしくはそれに近い)は自分のパフォーマンス以上に会社全体の利益を優先して業務にあたり必要があります。よく英語でフィディーシャリー・デューティなどと言われますが上層部は株主より経営を任されている以上、株主にできるだけ多くを還元する義務があります。
会社の業績が上がれば上がるほど株価は上がります。理想としては数年後にはストックオプションを付与された時点よりも遥かに高い株価なっていて売却できれば会社としては業績が上がり株価に反映され株主から喜ばれ、個人としても多額の売却益が手に入るのですから双方にとって良いことづくめになります。
長く働いてくれる
もし毎年現金で多額のボーナスを受け取るのであればあっという間に会社を辞めて最悪の場合は競合相手に転職してしまうかもしれません。しかしストップオプションに付与することでオプションの行使権利が手に入る数年後までは会社に残ってくれるかもしれません。
投資銀行の業界では能力のある優秀な人はどこでも引く手あまたです。経営層に近い人(MDクラス)や大金を稼ぎ出すトレーダーやセールスなどのスーパー社員(プロフェッショナル)などは常に他社よりお誘いがあり高額な報酬を求めて業界内で移動することは当たり前のことでもあります。
ストックオプションを付与することで他社への移動を防げることがあるかもしれません。しかしある程度の額を用意できなければストックオプションの権利を放棄して他社へ移ってしまう可能性もあるのである程度高額に設定する必要があるようです。競合他社が本気で引き抜きにかかるときはすでに付与されているストックオプションも含めて高額なオファーを提示することもあるでしょうから。
まとめ
引き続き外資系証券会社(投資銀行)の給与などの報酬体系に関して少しお話をさせて頂きました。
長期インセンティブは限られた人たちに与えられる特別な報酬です。一度に現金で高額なボーナスを支給しないで数年後に行使が可能になるストックオプションを付与する理由は主に二つです。
ストックオプションの付与は優秀な上層部の経営層、常にハイパフォーマンスにて会社へ多くの利益をもたらしてくれるスーパー社員(プロフェッショナル)だけに与えられる特権です。
この優秀な人々が会社から去らないように、そして会社の発展のためにさらに貢献してくれるようにストックオプション権利を付与します。
投資銀行は優秀な社員には惜しみなく大金を出します。これも投資銀行で働く醍醐味の一つだと思います。
この報酬に関しましてまだまだ続きます。