< 高校・大学受験、TOEIC、TOEFL、英検などの各種試験対策のために >
< 外資系企業などで仕事をするために総合的な英語力を養うために >
< 「読む」だけでなく「解く力」「書く力」も身につけたい方に >
※英文に接する際に気にかけてほしい重要ポイントを中心に解説しています※
今回の文法
- 否定「scarcely ~ before ~」
今回は否定「scarcely ~ before」に関して触れてみたいと思います。
前回は否定「hardly ~ when ~」に関してお話をさせて頂きました
(記事はこちら)
否定「hardly ~ when ~」は「~するとすぐに~」という意味合いになります。
否定を表す「hardly」を使っていますが訳では肯定の表現になること、そして節の時間のズレがある場合には注意が必要です。
前回はそんな話をさせて頂きました。
以前私が受験したスコアになります。

否定「scarcely ~ before ~」【英語力を向上させるポイント】
今回は否定「scarcely ~ before ~」に関して触れてみたいと思います。
意味合い、用法共に前回の「hardly ~ when ~」と同じようなものになります。
前回の「hardly ~ when ~」と同様に否定「scarcely ~ before」は「否定」というカテゴリーに入ってはいますが意味合いでは「否定ではないのでは?」というものになります。
「scarcely」は「ほとんど~ない」という意味の否定語になりますが今回はどのような表現をするのか気に掛ける必要があります。
試験などでも時々見かけることもありますので注意が必要です。
否定は単にある語を否定するものもあれば文全体を否定するものもあります。
否定する強弱の度合いにも違いが出てきます。
そして部分的に否定するものもあれば全てを否定するような「否定する割合」に関しても覚える必要があります。
大まかに見て否定は2つに分かれます。
- 文否定:主節の動詞を否定することでその文全体を否定する
- 語否定:主節の動詞以外の節、句、語のみを否定する
まずは否定語が文全体に掛かっているのか、もしくは文の部分的なところにかかっているのかを意識すると良いかと思われます。
否定「scarcely ~ before ~」は「~するかしないかのうちに~」という意味合いを表す
「scarcely」が入っているにも関わらず意味合いは「どこが否定なのか?」という紛らわしい表現をします。
混同を避けるために「scarcely A before B」とした場合は「AするかしないかのうちにB」となります。
通常では接続詞の「before」を使う時には例えば「A before B」であれば「Bする(した)前にA」といった意味合いになります。
あくまで主文は「A」であるというのが通常の認識になります。
しかし今回の構文では「scarcely A before B」は「AするかしないかのうちにB」という表現になるのでまるで「B」が主文と捉えられるような訳になります。
更に紛らわしいのがここで「A」と「B」のどちらが先に起こったことなのか?という疑問が湧いてきます。
この時間の差を明確にするために一役買ってくれるのが「過去完了形」です。
過去完了形で表している節の方が先に起こったことになります。
よって「A」が先に起こり、次に「B」が起こったのであれば「A」の節を過去完了形にすることで時間差を理解することができるようになります。
否定「scarcely ~ before ~」は「~するかしないかのうちに~」という意味合いを表す語になります。
「scarcely A before B」であれば「AするかしないかのうちにB」であり「A」と「B」のどちらが先なのか?という時間の差は過去完了形を使って明確にすることができます。
「AするかしないかのうちにB」は一見、ほぼ同時に起こったような印象を持ってもおかしくないのですが僅かでも時間のズレがあると考えてみてください。
- 「scarcely A before B.」では「AするかしないかのうちにB」という訳し方になる
- 「A」と「B」に時間差がある時(通常はある)には先に起こった方(A)を過去完了形,、(B)を過去形にすることで時間差を明確にすることができる
大事なポイントは以下になります。
否定「scarcely ~ before ~」は「~するかしないかのうちに~」という意味の文を形成する。文の時間差は過去完了形を使い明確にする
それでは例文を見てみましょう。
- I had scarcely arrived at the airport before the airline company announced the flight was canceled. 私が空港に着くか着かないかのうちに航空会社がフライトの欠航を知らせた。 ← 順番的には空港に到着 → フライトの欠航を知った
- t had scarcely begun to rain before the wind got stronger. 雨が降るか降らないかのうちに風が強くなった。
両方の文で「scarcely A before B」の「A」の部分が過去完了形になっています。
訳文から見ると微妙になってしまいますが文法上では「A」の方が先に起こったことと認識することができます。
「A」が起きた後に「B」が起きています。
「A」するとすぐに「B」というとても紛らわしい表現ではありますが「scarcely」が来た時には後方に「before」があるか気に掛けるしかありません。
もし「before」を見つけたらその時はこの表現方法を思い出してください。
まとめ
今回は否定「scarcely ~ before ~」の用法に関して触れてみました。
否定「scarcely ~ before ~」は「~するかしないかのうちに~」という意味合いになります。
否定を表す「scarcely」を使っていますが訳では肯定の表現になること、そして節の時間のズレを気に掛ける必要があります。
今回はここまでに致します。
TOEFL iBTの各セクションについての記事
過去のTOEFLテスト形式についての記事
過去のPBT、CBTと現行TOEFL iBTとのスコア換算に関する記事
TOEFL iBT対策の教材に関する記事
TOEICの概要、出願、テスト形式などの記事